今日は七夕の日。それなのに、大宮は朝から雨降りです。
今日も引っ越しに向けて、少しずつ部屋を片付けています。
次の月曜日には梱包材を送ってもらうように、業者に手配する予定です。
そうなると、いよいよ本格的な作業に入ることになります。
のんびりしていられるのも日曜までになるのかな。
アパートに越してきたのは11年前の秋でした。
引っ越した日の夜はとても疲れていたので、
近所の食堂で簡単な食事を済ませ、早めに布団に入りました。
横になり部屋の明かりを消すと身体が闇にすっと落ちこみ、
冷たい空気が降りてくるのを感じます。
バイクが走る音が聞こえ、そして遠くへ消えていきました。
しばらくして目が暗闇に慣れてくると、目の前に突如"満天の星空"が現れました。
たくさんの星つぶがぼんやりとした光を放っています。
星が集まっているところは、まるで天の川のように煙っています。
僕が思わず声を上げると隣で寝ているはずの彼女も気がついていたようで、
小さく「うん」とうなづきました。
そのうちに星の輝きはゆっくりと光を失っていきました。
翌朝、天井を調べました。
そこには、小さな星形の蛍光シールが無数に貼られていました。
昼間は天井の色に溶け込みシールの存在に気がつきませんでしたが、
それが蛍光灯の光を溜めて暗闇に星空を作っていたらしいのです。
この部屋のかつての住人が貼ったのでしょう。
新しく始まる生活に不安も抱くけれども、
今はうれしさや楽しさの方が勝っている。
そんな若いカップルが幸福感を噛みしめながら、
一緒に仲良く貼っていったのだろうかと想像することは、
とても楽しいものでした。
雨の日も風の日も、いまでもわが家は"満天の星空"です。